しだれ桜の木の下で




「………ま、待って!」




私も立ち上がると翔の前に立つ。




「………ずっと、」




声が震える。


涙のせいで、翔の姿が霞む。




「………ずっと、想ってた。    気付くのが遅すぎたけど、」




私は涙を拭うと翔の目を見て言った。




翔も私の目を見つめ返す。




枝が風で揺れて音を立てる。








「ずっと、翔のことが好きだった…」













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