しだれ桜の木の下で




————たった一瞬。



————たった一秒。





それだけだったけど、私達の間ではそれだけで充分だった。






「……………………………から」


「え…?」







目をそっと開けると翔は優しい微笑みだけを残して夜の闇に溶けていった。








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