しだれ桜の木の下で




夫は息子を降ろすと私の隣に立った。


息子は一目散に娘の方に駆けて行く。




夫はベンチに腰掛け自分の隣を叩いた。




「お前も座れば?」


「……うん」




そっと腰を降ろして、夫の隣にピタリと寄り添う。




「綺麗な場所だな、ここは」




お前が気に入るのもわかる気がする。


そう言われて嬉しかった。




「でしょー?」




ニコッと微笑むとギュッと抱き締められた。





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