しだれ桜の木の下で
「でも、良かったのか? ここ、初恋の奴との思い出の場所なんだろ? そいつ以外とここに来たく無かったんじゃ……」
「別にいいの」
そう言って、夫の口を指で塞ぐ。
「裕樹だって今は大切な人だもん」
「綾……今のお前超カワイイ!」
チュッとキスされる。
「それに、今あいつも来てるし」
そう呟いた瞬間ギョッとされる。
「彼は亡くなったって言ってたのに、もしかして今も生きてて浮気してるとか言う!?」
「亡くなったってばっ! さっき誰の墓参ったと思ってんのよ!」
それもそうかと納得されもう一度強く抱き締められる。