餞の言葉
冗談にしろっていうこと?
あたしには可能性ないから?
だったらちゃんと振ってくれればいいじゃない。
酷いよ先生。
そんな風に誤魔化されたら、あたしの気持ちの行き場が無い。
泣きたい気持ちを抑えて、窓の外を見る。
こんな顔みられるのは嫌だ。
陽が徐々に傾いていく。
慌て者の太陽は朱色のインクをこぼしているのにも気づかずに、あたりを朱色に染めていた。
そのまま、あたしの赤い頬もばれないように全身を染めて欲しい。
先生は冷静なのに、あたしだけこんなに動揺しているなんて悲しすぎる。