時計兎
家から駅へのいつもの道。

歩いていく途中、公園がある。


遊具は朽ち果て、錆びていた。
積まれたタイヤに溜まった雨水は腐り、異臭を放っている。

この公園はそのうち改修されるらしいが、詳しくは知らない。


見るも無惨な


壊れかけの公園。






その公園をもう少し行くと今度はとても大きな屋敷がある。

その大きさの感動は琵琶湖の近隣の人が
『琵琶湖は海だ』
と誇張するのに似ていたと思う。

だが、いつも行き来する道だったためか、その感動は日に日に薄れていった。

表札には『橘』とあった。


とにかく大きい


立派な屋敷。
< 12 / 73 >

この作品をシェア

pagetop