時計兎
公園
大学の講義が終わり、帰途についた。


いつもの電車に乗る。
欝陶しい人込みを掻き分ける。
駅前の信号を待つ。


それらは怠惰で変わらぬ日常の一環と化していた。


ただひとつを除いて。


駅から家へのいつもの道の途中
惰性の生活を壊す現実があった。


壊れかけた公園を少し外れた路地に少女が倒れていたのだ。
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