時計兎
部屋に入り、急いで鍵を閉めた。

久遠はドア越しで外の様子を探る

外では自転車が止まる音が聞こえたが、しばらくして再び奇声が聞こえ始めた。

どうやら完全にまいたようだ。

「わ〜!フローリングの床って初めてだよ!私の家は全部畳だから」

いつのまにか彩夏が腕の中におらず、ぐんぐん部屋の奥へ入っていく。

「へ〜…
これが男の人の部屋か…
ホントに殺風景なんだね」

確かに部屋にはベッドに火燵、キッチンぐらいしかなく、小さなこじんまりとした部屋だ。

だが、難癖をつけられる覚えは全くない。
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