さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―


光の隙間がどんどんと狭まっていく。





「翼は帰って!」




彼を巻き込むわけにはいかない。




この先何が起こるかわからない場所に、翼は連れていけない。





「あずが行くなら、俺も行くよ。」




翼の言葉を理解するのに時間はかからなかったけれど、あっという間に隙間は隙間でなくなってしまった。




「あず…。」




翼の声がする。




この手だけは離さないと、必死にしがみついた。

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