さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
「わっ、わわわわりぃ!」
原田さんは小さく頭を下げた。
相変わらず顔を真っ赤に染めて。
いつもの原田さんらしくない動揺。
もしかして・・・
「原田さん女の子苦手?」
横暴で楽天家な原田さんは、ずっと女好きだと思っていた。
夜な夜な出掛けて女を漁っていると思っていたくらいだし。
「・・・。」
多分図星だ。
私の言葉に口をつぐんでいる姿から、間違いないと思う。
そう思うと思わず頬がほころんだ。
「じゃあどうして私に普通に話しかけてこれるの?」
最初原田さんは一人で私に会いに来てくれた。
「お前は俺のお袋に似てるから。」
はぁ!?
「ここにいると女と関わる時なんてねえから、女はよくわかんねえ。でもお袋みたいな女なら話せる。」
妙に納得。
それにしても、原田さんのお母さんに似ているなんてなんだか恐れ多いな。