さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
手合せ
空を見上げると、雲はもう夏の形をしていた。
ここに来て2ヶ月。
赤に染まって、1ヶ月が過ぎた。
「おい、平助。お前はそれしか飯くわねぇからいつなってもでっかくなんねぇんだぞ?」
「永倉さんは食べ過ぎなんすよ。そのうち豚みたいなって動けなくなりますよ?」
「なんだと!?イワシみたいな細っこのくせに生意気な!」
「イワシって…。せめてもっといい例えにしてくださいよ!」
「永倉さんも藤堂さんもうるさいです!食事くらいもっと静かにしてください!」
永倉さんと藤堂さんは、いつもぺちゃくちゃ互いを否め合いながら食事をしている。
せっかく作った食事も台無し。
「ちょっとは斎藤さんを見習ったらどうですか?」