さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―


「あず。」




「あっ、はい。」




沖田さんの声で我に返る。





「これからある稽古見学に来ない?」




稽古。




ずっと避けていたこと。





私はもうこの手を血で染めたくない。





あの日以来、本当はこれは逃げなんじゃないかってずっと考えていた。




壬生浪士の人たちに守られて、恩返しも何もできなくて。





「…わかりました。」




怖い、けど。




前に進まなきゃいけないから。

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