さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―





強い。





今まで試合をしてきた相手や、辰之助さんとは比にならない。





「たああ!」





――バシッ





再び竹刀が交差する。





剣道より若干短い竹刀のせいか、二度連続で受けた重みで腕はびりびりと痺れが生じている。





時折見せる余裕あり気な笑みが気に触る。





攻撃の隙も与えてもらえず、ただ耐えて守るしか出来ない。





勝つか負けるか。





私には後者の選択しか与えられていなかった。


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