さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
今さらだけど、ここは私の部屋じゃない。




ベットに寝ていると思っていたのに、私が寝ていたのは今時珍しい布団。




「ここ、は・・・。」



家でもない、病院でもない、ましてや見知らぬ家。



扉なんて、木で出来たドアじゃなく、布みたいな素材の襖。



度が過ぎるほど古めかしい。




「おーい、聞いてる?」




男の人の声にはっとして我に返る。




そういえば、さっきから私の隣に座っている、この三人男の人たちも様子がおかしい。



このだっさい格好は何?



水色のはっぴの袖には白く山形模様。



はっぴとか、お祭りの途中だったんだろうか。
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