さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
“沖田さん”
あずが親しげに男の名を呼んだ声が、未だ頭の中をこだましている。
あれは多分、沖田 総司。
女みたいな童顔で美人顔だった。
それでいてきっと剣の腕もたつんだろう。
いくら剣道経験者だと言っても、あの男とはお話にならないだろう。
「はあ…。」
とてもかなわないな、と思ったら、またため息が出てきた。
少なくともあの時は俺じゃなく、あずはアイツを選んでいた。
しかも別れ際のあの顔。
私は沖田さんを選んだからごめんなさい、とでもいうような哀れな俺を見つめる同情の目。
「はああ…。」
「うるさーーーーい!!!」
あずが親しげに男の名を呼んだ声が、未だ頭の中をこだましている。
あれは多分、沖田 総司。
女みたいな童顔で美人顔だった。
それでいてきっと剣の腕もたつんだろう。
いくら剣道経験者だと言っても、あの男とはお話にならないだろう。
「はあ…。」
とてもかなわないな、と思ったら、またため息が出てきた。
少なくともあの時は俺じゃなく、あずはアイツを選んでいた。
しかも別れ際のあの顔。
私は沖田さんを選んだからごめんなさい、とでもいうような哀れな俺を見つめる同情の目。
「はああ…。」
「うるさーーーーい!!!」