さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
誕生日、か…。
誕生日プレゼントもろくに準備できないこの時代、一体何をしてあげればいいんだろう。
現代だったら、お店で何かプレゼントを買うことができるけれど、私はお金すら持っていない。
そもそもこの時代に誕生日を祝うなんて習慣あるのかしら。
うーん、と悩んでいると山南さんはポンと手を叩いた。
「総司は甘い物には昔から目がありませんでしたね。」
山南さんはもう一度にこりと笑って、部屋から出て行ってしまった。
「甘いものか。」
どうしようかな、と思っていたとき廊下から聞きなれた足音が聞こえてきた。
そうだ。
あの人にも手伝ってもらおう!