さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
2度目の再会
「ちょ、ちょっと待ってください。」
再び待ったをかける。
どうしても緊張して、一歩踏み出すことができない。
「大丈夫?」
「…はい。」
私たちはあの後、すぐに高台寺に足を運んだ。
沖田さんが、こういう大切なことは直接伝えた方がいいと言ってくれたから。
翼に、意志を伝えるために。
私は現代には帰らない、と。
「…行きしょう。」
落ち着け、自分。
沖田さんが傍にいてくれるから、きっと大丈夫。