さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―


「…あの」





きっと、言いだすのを躊躇っているのだろう。





あずは優しいから。





そんなあずを見ていたら、ふっと笑いがこぼれてきた。






「…少し背のびた?」





昔のように頭をなでると、あずは俯いて下唇を噛締めていた。





あずは背低い方だから、俺が見下ろす形になる。




懐かしいな、この感覚。







「…聞いて欲しいことがあるの。」




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