さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
いとしくて

帰り道



またね、と言ってパタンと襖を閉める。





「…ふぅーっ…」





ちゃんと、伝えられた。





緊張が解けて、ゆっくり胸をなでおろす。







「おい、お前。」





「お前じゃなくて、あずみ。何よ?」





部屋の外で待ってくれていた沖田さんと、篠原くん。





篠原くんがなんで待っていてくれたのかは、分からなかったけれど。





「あずみは帰らないんだろ?」





「うん。」





私の言葉を聞いて、篠原くんはそっか、と呟いた。




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