さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
「ゲホッ…ごほッ…」
苦しそうに何度も咳き込む。
過呼吸になったように。
「だ、大丈夫ですか!?」
人はそんな私たちを横目に見ながら、避けるように歩いていく。
まるで私たちなんか見えていないように。
大丈夫?と手を差し伸べてくれる人もいない。
沖田さんは苦しそうにしゃがみこんでしまった。
私は、どうすればの?
なす術が見つからなくて、ひたすら背中をさすることしか出来ない。
「…ッ糞…俺、どうし…ごほッ!」