さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
!?
暗闇の中であたりの様子は良くわからないけれど、上から何かが降ってきたような音がした。
それと同時に、行灯に明かりが灯る。
その、姿は…
「烝…。」
あの日と同じように真っ黒な衣装に身を包んだその人は、紛れもなく烝だった。
烝マスクを剥がして見えた口元は、固く結ばれている。
「聞いていたのか?」
「…ああ。」
今この場にいるということは、今までの会話を聞かれていたことを意味する。
沖田さんはチッと舌打ちをした。