さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
「な、長い・・・。」
部屋を一歩でると、この建物は尋常じゃない広さだってことに気がつく。
この建物、というか、屯所。
現代でいえば、新選組の事務所みたいなところ。
ずっと部屋にいたから分からなかったけれど、廊下だけでもこんなに延々と続いている。
どのくらい広いのか計り知れないな・・・。
他のさんは訓練中なのか隊士さんは、一人も見当たらないけれど。
横を歩く沖田さんをちらりとみる。
やっぱり、綺麗だなぁ。
よく考えると、新選組って格好いい人多い気がする。
さっきいた幹部の中にもチラホラ。
剣も使えて、容姿もいいなんて。
現代に居たらきっとモテるんだろうな。
沖田さんに至っては剣の天才なんて異名が残っていたし。
「そんなに見ないでくれる?」
そんなにじーっと沖田さんを見ていてしまっていたのか、沖田さんは困ったような顔をした。
顔が熱くなる。
ちょっとだけのつもりが気づかないうちに凝視してしまっていた。
恥ずかしい・・・。
「ここがキミの部屋だよ。」
部屋の中に通される。
「わあ!」