さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
長年一緒にいたあずに思いを寄せ始めた時のことはもう覚えていない。
それくらい長い間ずっと思い続けていた。
小さいころからあずを見てきたからあずが俺に気がないことくらいわかっている。
というか、あずが誰かに気があったことなんてないような気がするけど。
あるとしたら小学校のころに体育の先生に憧れを持っていたくらいかな。
俺、こんなにあずを見ていたんだ。
ちょっと気持ち悪いかな。
思わず自傷的な笑いがこぼれてくる。
俺にとってはあずと一緒にこの時代に来れたことは、ラッキーだったのかもしれない。
現代であずを待つより、その方がずっといい。
俺はあずを守るんだ。
この150年前の世界でも。