さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
誰か、誰か、誰か!
とにかく匿ってもらおうと思って、適当にとざっていた襖を開けた。
この際、誰でもいい。
────パタン
「はぁ、はぁ・・・。」
その部屋の襖を閉じて、私はへたり込んだ。
「どうしたの?」
顔を上げることも出来なかった私に優しい声が降ってきた。
この声は・・・。
「沖田さんっ・・・!」
私の視線の先には机に向かって正座をし、何か書き物をしている様子の沖田さんの姿があった。
暗闇に行灯の光が1つあるだけだから、顔まではっきりとは見えないけれど、確かにあれは沖田さんだ。
助かった。
そう思ったのに。