さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
「…なんでついてくんのよ。」
「俺もこっちやから。」
この時はふーん、と軽く流した。
だけど、いつまでたっても後ろから聞こえる烝の足音は消えない。
私が私の部屋の前で足を止めると、背後の足音も止まった。
「・・・なにしてんの?」
「俺もここの部屋やから。」
「へえ、そうなんだ・・・ってええ!?」
「ホンマはここは俺の部屋。お前に貸しとるけど、な。」
丞の言葉をゆっくりと問い詰める。
つ、つまり、私は丞と同室?
無理無理無理!
だって、また襲われるかもしれない。