さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
「嫌!別の部屋にして!」
「そんなこと言われてもなぁ。元々俺の部屋なわけやし。」
丞は困ったような顔をした。
確かに、そうなんだけど。
本当はここは丞の部屋で、私がそれを貸してもらっているだけ。
本来なら出て行くなら私。
「絶対、私にさわらないでくださいね。」
「分かった。俺は疲れとるんや。はよ、寝よ。」
丞の言葉を信じて二人で部屋に入った。
うう、気まずい。
ええい、寝てしまえばこっちのもんだ、と思って布団に潜った。
丞は、そんな私の様子をじっと見ていた。