さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
寒い、けれど丞と寝るのは嫌だったからひたすら耐えた。
「・・・。」
ここにきて初めての静寂が広がる。
夜は、好きじゃない。
嫌なことがあった日とか、夜になるとそれを思い出して枕を濡らす日もあった。
今もほら。
寂しさや不安が今になって募ってくる。
みんなといるときは気が紛れたけれど、そうにもいかない。
こんな生活が毎日続くのかな。
私は、この時代には同化しない。
心に堅く誓って目を閉じた。
丞の寝息が聞こえる。
その安心からか、今度はゆっくりと意識が遠ざかっていった。