Vrai Amour ~妃奈の場合~
『・・・用がなくちゃ電話したらいけませんか?』




あ・・・・



少し怒ったような低い声に、胸の奥がすーっと寒くなった。


だけど、次の瞬間


『・・・なーんて、子供みたいなことは言いません』


そう言って笑っている声が聞こえて、ほっとした反面思わず涙ぐんでしまった。

「・・・」


『・・・妃奈さん?』


心配そうな声が聞こえるけど、私は唇をぎゅっと噛み締めてしまう。








私、恒輝さんに恋をしていたんだ。







そう、実感した。
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