Vrai Amour ~妃奈の場合~
「わかった。2年だけだよ」
優しい声が聞こえて、答えが怖くてうつむいていた頭を大きな手がぽんぽんと叩く。
「ただし、それ以上は待たない」
「え?」
「それ以上は僕が我慢できないから」
そう言って、恒輝さんはジャケットの内ポケットから小さな箱を取り出した。
「遅くなっちゃったけど・・・これ、受け取ってくれるかな?」
私は震える手でその箱を受け取り、そのリボンを解いた。
ゆっくりと箱を開けると、その中には小さなダイヤモンドとピンクダイヤがあしらわれた指輪が収まっていた。