Vrai Amour ~妃奈の場合~
「・・あぁっ」

いつの間にか恒輝さんは私の脚の間にいて、そこをじっと見つめている。

「・・・やぁ・・・見ない、で・・」

私は恥ずかしくて泣いてしまいそうで、自分の両手で顔を覆う。

「なんで?とても可愛いよ、ここも」

恒輝さんがそう言ったあと、ふわりとそこの空気が動いた。

「あ・・っ・・・だめぇ・・・」

次の瞬間、水音が響いて熱いものに覆われた。

何をされたのかと、隠した手の隙間からのぞき見ると恒輝さんがそこに吸い付くように顔を寄せている。

「・・ん・・・はぁ・・」

恒輝さんの息は荒くなり、容赦なく与えられる快楽に溺れてしまいそうになる。

優しかった恒輝さんが、こんなことするなんて思いもしなかったので

そのギャップにクラクラしてしまった。

「・・妃奈・・・名前、呼んで?」

恒輝さんは手の甲で唇を拭うと、そう甘えるようにささやいた。

私は唇が重なるまでの間に、「恒輝さん」とつぶやく。
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