Vrai Amour ~妃奈の場合~
「・・・その・・・そばにいてくれるのが、あなただったらいいなと思っています」
そのまっすぐで真剣な瞳に射抜かれて、私は何も答えられなかった。
「僕とお付き合いしていただけないでしょうか」
そのあとに続いた少し弱弱しい声に、恒輝さんの気持ちが伝わってきて思わずじんと来てしまった。
もちろん、私も両親が決めた人のところに嫁ぐのが当たり前だと信じてきた。
お母さんもそうだったし、とても幸せそうなお母さんを見ていると私も幸せな気分になれた。
でも、それだけじゃ恒輝さんの思いに答えられない。
恒輝さんの告白がとても大事なものに感じられて、私はその思いに答えたいと思った。