Vrai Amour ~咲子の場合~


頬を赤く染めながら、白い肌までもほんのりピンクに染まっていく気がする。


私は戸惑っている駿くんにゆっくりと近づくと、震えながら唇を重ねた。






私の、ファーストキス・・・






初めて触れた唇は少しかさかさしてた。

一瞬しか触れていないのに、そのぬくもりはあたたかかった。




「お願い、今夜しかないの」




そう、言葉にしたら想いが溢れて止まらなくなった。


もっと、触れたい。

触れて欲しい。


「・・・好き・・・好き・・・」


今まで言えなかった二文字が涙と一緒にあふれ出た。


すると、ゆっくりと背中に熱い手のひらが重ねられた。
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