Vrai Amour ~咲子の場合~

「・・・さっちゃん」


濡れた瞳に見つめられ、私は気がつけばベットの上にいた。

私の白い肌の上には赤い印がいくつも残り、駿くんが与えてくれる快楽に甘く酔いしれる。

痛みも悲しみも全部、今夜吐き出してしまえばいい。



「あっ・・・あぁ」


我慢していても漏れてしまう声に必死に唇を噛み締めた。



何度も何度も突き上げられて、狂ってしまいたくなる。



「咲子・・・」


一度だけ、駿くんが無意識のうちに呼んでくれた名前。

下腹部に残る痛みに、一生に一度だけ愛する人に愛された証を感じていた。
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