Vrai Amour ~咲子の場合~
「・・・はぁ」
唇が離れて駿が息を吐き出す。
「やばい・・・あの時の二の舞しそう」
駿は顔を赤くして、私の胸の谷間に口付けた。
「え?」
「お前の中、気持ちよすぎて・・・ってそうじゃなくて」
駿は自分でツッコむと、いきなり激しく腰を打ちつけた。
「・・・あっ・・・やぁぁっ」
すぐに登りつめてしまいそうなところをなんとかやりすごすと、駿はぎゅっと私を抱きしめた。
「・・・も、少し・・・ゆっくり・・・」
荒い呼吸を抑えながらそう言うと、駿は私を抱きしめたままゆっくりと腰を動かした。
「・・・ごめん、ちょっと嫉妬した」
「・・・・嫉妬?」
ゆるゆると送られてくる快感はじわじわと私を押し上げていく。
「・・・・お前のそういう顔、知ってるの俺だけじゃないんだなって」
駿はもう一度ゆっくり奥まで腰を入れると、はぁとため息をつきながら私の胸に体重を預けた。
「でも、あの時は救い出す勇気がなかった。ごめん」
そう言って、ゆっくりと身体を起こした。