Vrai Amour ~咲子の場合~

「・・・はぁ」

唇が離れて駿が息を吐き出す。

「やばい・・・あの時の二の舞しそう」

駿は顔を赤くして、私の胸の谷間に口付けた。

「え?」

「お前の中、気持ちよすぎて・・・ってそうじゃなくて」

駿は自分でツッコむと、いきなり激しく腰を打ちつけた。

「・・・あっ・・・やぁぁっ」

すぐに登りつめてしまいそうなところをなんとかやりすごすと、駿はぎゅっと私を抱きしめた。

「・・・も、少し・・・ゆっくり・・・」

荒い呼吸を抑えながらそう言うと、駿は私を抱きしめたままゆっくりと腰を動かした。

「・・・ごめん、ちょっと嫉妬した」

「・・・・嫉妬?」

ゆるゆると送られてくる快感はじわじわと私を押し上げていく。

「・・・・お前のそういう顔、知ってるの俺だけじゃないんだなって」

駿はもう一度ゆっくり奥まで腰を入れると、はぁとため息をつきながら私の胸に体重を預けた。

「でも、あの時は救い出す勇気がなかった。ごめん」

そう言って、ゆっくりと身体を起こした。
< 43 / 46 >

この作品をシェア

pagetop