Vrai Amour ~咲子の場合~
2.恋を教えてくれたのは
彼の名前は、朝比奈駿と言った。

私よりも3歳年上で、気がつけば幼馴染としていつも一緒にいたように思う。

だけど、彼が中学に上がるとその機会ががくんと数を減らした。



私が自分の初恋に気がついたのは中学に上がってからだ。

駿くんはすでに高校生で、一般の私立高校に通っていた。

学校帰りの車の中から見た、駿くんと女の人のツーショットに

私は、わけがわからぬまま嫉妬した。

嫉妬だということに気づくのにも、何日も要した。





彼の隣にいたのは、私だったはずなのに・・・


なんで・・・?






ずっとそう思って泣き続けた。

それを見ていたお母様がある日の夜、私の部屋にきてそっと教えてくれた。

それが"恋"というものだと。


それからだ。

モデルを夢見るようになったのは・・・・
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