Vrai Amour ~咲子の場合~
3.最初で最後の夜
ダイヤルをしている最中は無意識のうちに呼吸を止めてしまっていたらしく
全部ダイヤルし終えた瞬間に、大きなため息が出てしまった。
受話器を耳に当てると、聞きなれた呼び出し音が鳴り響いている。
けれども、何よりも大きく聞こえるのは自分の心臓の音だった。
出て欲しい。
でも、出て欲しくない。
そんな思いがせめぎあっていると、不意に呼び出し音が切れて
「もしもし」と短く返事があった。
びっくりして、しばらくは声が出なかった。
ど、どうしよう・・・
何を言えばいいんだろう・・・
部屋の中を流れるクラッシックが落ち着きすぎていて、さらに緊張を煽る。
すると、受話器の向こうから再び声が聞こえてきた。
全部ダイヤルし終えた瞬間に、大きなため息が出てしまった。
受話器を耳に当てると、聞きなれた呼び出し音が鳴り響いている。
けれども、何よりも大きく聞こえるのは自分の心臓の音だった。
出て欲しい。
でも、出て欲しくない。
そんな思いがせめぎあっていると、不意に呼び出し音が切れて
「もしもし」と短く返事があった。
びっくりして、しばらくは声が出なかった。
ど、どうしよう・・・
何を言えばいいんだろう・・・
部屋の中を流れるクラッシックが落ち着きすぎていて、さらに緊張を煽る。
すると、受話器の向こうから再び声が聞こえてきた。