Vrai Amour ~斗真の場合~
「言ってごらん。なんでも受け止めてあげるから」
俺ができることなら、なんだってしてやりたい。
あの女の目的は、美空を実家に縛り付けることだ。
きっと俺から離れようとするに決まっている。
だけど、どうやってそれを食い止めればいい・・・
ただ、今わかっているのは
美空を離したくないということだけ。
俺は美空が答えるのを待たずに言った。
「でも、先に言っておく。答えは"ノー"だ」
驚いたように美空はびくんと肩を震わせた。
「僕から離れようとしているよね?美空」
「な、なんで・・・」
「今日は全然集中してくれなかった」
「・・っ・・・そ、そんなこと・・・」
わかってるよ。
君が何を言いたいのかくらいは。
俺たちはいつか別れなければいけない。
そういう条件で出会った。