Vrai Amour ~斗真の場合~
「・・・赤ちゃん、の前にすることあるだろ?」
俺は再び美空を抱き上げ、視線を合わせ微笑んだ。
「・・・愛してる。僕と結婚してください」
一瞬だけ驚いたような顔をしたけど、美空はすぐに微笑んで「はい」とうなづいてくれた。
美空の手が俺の頬に触れ、ゆっくりと唇が重なる。
本当はもっとゆっくり味わいたいところだが、どうやらそうもいかないらしい。
「行こう」
美空をおろし、ポケットから出した指輪を美空の左手の薬指にはめこんだ。
バタバタと追いかけてくる足音に背を向け、しっかりと手をつなぐ。
「美空!!待ちなさい!!」
あの女の声が聞こえる。
「美空!!」
あの男も追いかけてくる。
その中に美空そっくりな女の子がいたことにも驚く。
そういえば、双子だって言ってたか・・・