Vrai Amour ~斗真の場合~
だけど、俺たちは止まらなかった。

大通りまで抜け、慌ててタクシーを拾う。

荒い息を整え、後部座席に身体を沈めると突然美空が笑い出した。


「何?突然」

「・・・まさか、先生がこんなことするなんて」


本当、まさかこんなことするなんて、だよ

だけど、それくらい美空のことが本気なんだ。



学校を辞めてからずっと、俺は割りのいいバイトをフルに活用して仕事をした。

こうして美空を攫うためだ。

身体だけは健康だったからそれも出来たのだが、本当間に合って良かったと思う。



「・・・許してくれる?」



これからは君だけを・・・


美空だけを愛し、守っていく。

今度こそ誰にも君を渡さない。
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