Vrai Amour ~斗真の場合~
「ウェディングドレスは僕が着せたかった」


ただのわがままだ。

自己満足でもあるけど、俺が選んで着せてやりたかった。



「向こうに着いたら、お・し・お・き、だからね」

とにやりと笑うと美空は顔を真っ赤にして怒る。


「も、もう!!」


「冗談じゃないからね。1ヶ月以上我慢したんだ。これ以上我慢できない」


そう言いながら今度は深く唇を重ねる。






何度も何度も重ねた唇。

一度触れるともっと深く重ねたくなる唇。


更に深めようとしたとき、聞こえた咳払いに苦笑いした。

「・・・で、どこ行くの?」

恥ずかしそうに聞いてくるタクシーの運転手に声をそろえて答える。

「空港まで」

そして、もう一度、今度は美空の身体を抱きしめるようにしてキスを深めた。
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