Vrai Amour ~斗真の場合~
あの時のみちるは化粧もしていなかったし、リップも塗っていなかった。

あどけない少女だったことは覚えている。

だから、余計に壊したい衝動に駆られたことも覚えている。



「ね、覚えてるでしょ?あたしの身体」

みちるはそばにあった椅子の上に片足を乗せた。

「このほくろ、いやらしいって褒めてくれたでしょ」

下着が見えるほど持ち上げられた内腿に見えるほくろ。

そこに思わず歯を立ててしまった記憶が蘇ってくる。

「今ならもっと先生のこと喜ばせてあげられるよ?」

みちるの手がゆっくりと俺の体を撫で、ベルトへとかけられる。

「あたしを抱いてくれたら、奥さんには黙っててあげる」

ベルトがゆっくりと緩められ、みちるはゆっくりとズボンをおろした。

「奥さん、妊娠したんでしょ?しばらくは私がしてあげる」

俺は、どうしたらいいのかわからずみちるにされるがままになっていた。

拒めば、有絵がどうなるかわからない。

しかも、今はまだ安定期ではない。

何かあったら、赤ん坊だけでなく有絵の命も危ない。
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