瞳の中の彼

俺たちが家に着くと、楓はふてくされてリビングのソファに座っている。


「理玖お帰り。...あらっ、銀二くん久しぶりね。元気してた?」

「お久しぶりです。俺はこのとおり元気ですよ」


銀二はよく家に遊びに来ていたから、お袋との面識もあった。


「で、葵はあっちに連れて行くのか?」

「えぇ。そのほうが安全でしょ。」

「本人は納得してんのかよ。」

「納得してるわ」


…言葉を失った。


本人が納得しているならしかたない。


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