瞳の中の彼
「理玖、葵は一緒じゃないの?」
「葵は真子の家に泊まるって」
「真子さんの家に? どうしてなの?」
なんて説明したらいいんだ...。
そんな時、突然銀二が呟く。
「おばさん...あの時の犯人が捕まったんです。それで今葵ちゃん混乱してて、とりあえず真子が預かるって言ってました。」
銀二...。
「葵は大丈夫なの?ねぇ..理玖!」
「心配いらねぇ。安心しろ!」
お袋はオロオロしている。
「犯人が捕まったし、北海道にわざわざ連れて行かなくてもいいじゃねぇ? せっかく友達も出来たみたいなのにさぁ」
「・・・・・」
お袋は黙り込む。
「心配いりませんよ。俺達がついてますから。」
銀二はあの時の事を後悔している。葵達を守れなかった事を。