瞳の中の彼
明らかに楓の様子がおかしかった。
それから隼人さんと白狐のメンバーさんが運転する車で学校へと向かった。
楓の事が気になる...。
『葵、俺はお前が傷つくのをもう見たくねぇ...』と放った言葉が頭から離れない。
廊下で隼人さんと別れ、私は楓のクラスを覗いた。
このクラスにも白狐のメンバーさんが何人かいた。
「葵さん、おはようございます。あの...何か用ですか?」
私は白狐の総長の彼女と知られているので、メンバーの人達はみんなお辞儀する。
同い年だからしないでって言っても
「いやぁ~そういう訳にもいかないっす。」
って言って会話もぎこちない。
「あのぅ...楓来てます?」
「楓っすか? まだ来てないっすよ。」
「えっ?」
楓は私たちより先に隼人さんちを出たのに...
来ていない?