瞳の中の彼
「葵?」
「葵ちゃん?」
「葵さん?どうしたんですか?」
隼人さんや直也さん、太一さんの呼び掛けに応えることが出来ない。
様子がおかしい事に気付いた隼人さんがそっと立ち上がり
私の方へ近づいて来る。
「葵、どうした?」
私の頬を両手で包み込み顔を上げる。
「ごめんなさい……思い出しちゃって。」
あの時 この教室で見た怖い顔した隼人さん。
今は心配そうに私を見ている隼人さんなのに…
この教室に着いた瞬間 私はフラッシュバックしてしまった。