瞳の中の彼
「あの...隼人さん?」

「ん?」

葵が俺の顔を覗き込む

大きな目がくりくりしていて このまま離したくない気持ちにさせられた

「もう...大丈夫みたい....」

「ん...本当か?...」

俺はそのまま自分の顔を葵に近づけた

無性にキスしたくなった 俺の理性が吹っ飛んだ

葵の唇まであと数センチという所で


『ピリリリッ!』

空気を読まない俺の携帯が鳴った

お互い見詰め合って 赤面する

『チッ!』

俺は舌打ちしながら 携帯を耳に当てる

「居場所わかったか? あぁ..今から行く 車用意してくれ」

佐井の居場所がわかった という知らせだった

パタンと携帯をたたむ

「時間だ 帰るぞ」

そっと葵の頬を撫でる

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