恋の道のり
私はいつものように一人で家にいた。



来年は大学の受験があるから今のうちにちゃんと勉強していた。



そのとき私の携帯が鳴った。



ディスプレイを見たらお姉ちゃんからだった。



「はい、どうしたの?お姉ちゃん。」

「美香ちゃ~ん!」



この声はどう聞いてもお姉ちゃんに声じゃなかった。



この声は絶対お母さんからだった。



「お母さん?」

「そう!ママよ!」

「どうしたの?」

「ママ携帯忘れちゃったの!!お願いだから○×スタジオまで持ってきて!!」

「お母さんが携帯忘れるなんて珍しい。」

「そうでしょ!最近忘れ物多くなっちゃって!!年かしら?」

「最近忙しいからでしょ。でもスタジオ入らしてくれるかな?」

「大丈夫よ!警備員さんに橘恵美の娘って言ったら絶対大丈夫だから!!」

「わかった。今すぐ行くから。」

「美香ちゃんお願いね!」

「うん。」




そして私はスタジオに向かった。



もちろん地味のままで。



いまどきの子みたいにかわいい服なんて着るはずがない。



メイクもするはずがない。



こんなめんどくさいこと。



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