漆黒の黒般若
やったか!?


そう思ったがやはり竹刀は脇腹ギリギリで止められている


「ちっ」


つい出てしまう舌打ちは楠葉の攻撃の失敗を示していた

「おい、佐之…今何がどうなったんだ?俺、速くて見えなかったぜ?!」


「楠葉は上から仕掛けといて総司がそれに反応したと同時に狙いを脇腹に変えたんだ」


「はぁーっ?人間にそんな技が出来んのかよ?!だって囮のはずの攻撃もかなりの速さだったぞ!それを瞬時に止めるだなんて…
あいつなにもんだ?」


「あぁ…
でも、それを見抜く総司もすげぇよ」


2人が話しているなか他の隊士達は空いた口がふさがらない様子だった

それもその筈
新撰組の天才剣士とうたわれている沖田と女のように小さくて細い奴が互角にやりあっている


バシッ

また2つの竹刀はぶつかり合う


なかなかつかない勝負に楠葉の体力も限界に近づいていた


次で決めなくちゃ…


間をとった楠葉は息を切らせながら竹刀を構え直す


そして…


「やぁあーっ!」


勢いをつけた竹刀は風を切って一直線に総司へ向かっていく


バンッ


そして竹刀は手から離れて宙を舞った



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