漆黒の黒般若
「うぅっ…。悔しい」
悔しさで目に涙を浮かべているのは楠葉だった
「へへっ。また試合しようねー楠葉ちゃん」
そういって総司は楠葉の頭に、ぽんっと手をおく
あのあとあろうことか楠葉の竹刀は総司めがけて降り下ろされたものの彼の竹刀によって彼女の手から弾かれたのであった
竹刀をなくした楠葉になすすべもなく負けてしまった
「一本っ」
土方の声で我にかえった隊士達はみな驚きの声を上げる
ざわめく道場の中で楠葉に手が差し出される
「沖田さん…」
手を握り返すとそのまま道場の外に連れ出される
「ちょっ、沖田さん!」
驚いて立ち止まると沖田さんが振り返る
「負けちゃうかと思った」
「へっ?」
「さすがだね」
「あ、ありがとうございます…」
「でも、約束は守ってね?」
「…はぃ……」
沖田さんは気まずそうに返事をするあたしの腕をグイッと引っ張ると
「添い寝、まってるよ?」
耳元で呟かれたあたしの顔は真っ赤に染まる
「あははっ、顔真っ赤だよ?朝ごはんいこー」
この人、確信犯だ…!
にこにこしながら廊下を歩いて行ってしまった総司にまたしても殺意が沸いた
苛々して近くにあった柱を蹴ると少し足が痛かった
悔しさで目に涙を浮かべているのは楠葉だった
「へへっ。また試合しようねー楠葉ちゃん」
そういって総司は楠葉の頭に、ぽんっと手をおく
あのあとあろうことか楠葉の竹刀は総司めがけて降り下ろされたものの彼の竹刀によって彼女の手から弾かれたのであった
竹刀をなくした楠葉になすすべもなく負けてしまった
「一本っ」
土方の声で我にかえった隊士達はみな驚きの声を上げる
ざわめく道場の中で楠葉に手が差し出される
「沖田さん…」
手を握り返すとそのまま道場の外に連れ出される
「ちょっ、沖田さん!」
驚いて立ち止まると沖田さんが振り返る
「負けちゃうかと思った」
「へっ?」
「さすがだね」
「あ、ありがとうございます…」
「でも、約束は守ってね?」
「…はぃ……」
沖田さんは気まずそうに返事をするあたしの腕をグイッと引っ張ると
「添い寝、まってるよ?」
耳元で呟かれたあたしの顔は真っ赤に染まる
「あははっ、顔真っ赤だよ?朝ごはんいこー」
この人、確信犯だ…!
にこにこしながら廊下を歩いて行ってしまった総司にまたしても殺意が沸いた
苛々して近くにあった柱を蹴ると少し足が痛かった