漆黒の黒般若
試合が終わると総司が坂下を連れて道場を出ていくのが見えた


それを見てなんだか苛々した




「に、してもすげー試合だったな!総司も添い寝ごときでよくやるよ」


「いや、楠葉に添い寝してもらえるなんて嬉しいじゃねぇか!俺も勝負を挑もうかなー?」


「やめとけ新八。お前きっと楠葉に負けるぜ」

「なんだって!いくら楠葉にだって俺は負けねぇよ」


「その話し少し詳しく聞かせて貰おうか」


「斎藤っ!驚かせるなよ、いや俺は負けねぇよ?」


「その話しではない。その前の」


「あぁ、添い寝のことか?詳しくはしらないんだが実はな…」



添い寝のことをきいてさきほどの苛々が増す


道場を後にした俺の気持ちは歪んでいた


なぜだろう…


自分でもこの気持ちにはっきりとした理由をつけることはできなかった

部屋に向かうが坂下はまだいなかった


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